人工芝グラウンド用ゴムチップの発がん性の懸念について
人工芝チップの発がん性の懸念について、下記のとおり文部科学省より連絡がありましたので、転載します。
標記については、昨年度に国会でも取り上げられましたが、2014年に米国NBCテレビが女子サッカー選手のがん発症(主としてリンパ腫や白血病などの血液がん)と人工芝用ゴムチップとの関連性について報じました。また、2016年2月から米国環境保護庁(EPA)等が人工芝用ゴムチップの安全性に関して調査研究を開始し、欧州化学品庁(ECHA)やオランダ国立公衆健康環境研究所(RIVM)などの公的機関においても同様に調査研究が行われたことも踏まえ、健康への影響について厚生労働省(国立医薬品食品衛生研究所)が調査研究を行い、その報告書が取りまとまりプレスリリースされましたのでお知らせいたします。
○研究結果の「まとめ」として、
- 本研究では国内で流通する人工芝グラウンド用ゴムチップの成分分析を実施し、ゴムチップ中の金属や化学物質の含有量を測定。
- がんを誘発する十分な証拠があるベンゼンについては定量下限値未満であることが明らかになった。
- 現時点においては海外のゴムチップに対する評価は概ね健康リスクが無視できるとしている。
- 諸外国及び日本においてこれまで人工芝グラウンド上で競技する人や作業する人にゴムチップに起因する健康被害が生じたという学術報告は確認されていないとされています。
また、「今後の展開」として、人への健康評価をより正しく評価するための暴露評価の実施等についても触れていますので、引き続き情報周知させていただきます。このことについて、都道府県教育委員会におかれては域内の市区町村教育委員会に対し、また、都道府県におかれては所轄の私立学校(専修学校、各種学校を含む)に対して、それぞれ情報提供の御協力をお願いします。なお、独立行政法人国立高等専門学校機構においては、各国立高等専門学校に対しても情報提供の御協力をお願いします。
※以下URLにプレスリリースと併せ詳細な報告書も公表されています。
国衛研プレス: http://www.nihs.go.jp/dec/index.html
厚生労働科学研究データベース:
https://mhlw-grants.niph.go.jp/niph/search/NIST00.do
(検索ワードを「ゴムチップ」としてください)